エピソード7 あらすじ
時に、ルールを破らざるを得ないことがある。チームがチャレンジする日本で一番過酷な修験道ルート、大峯奥駈道の制覇を実行するために今回は5日間のプランを組みます。
これまでは、4日間で1つのエピソードを達成してきました。しかし、この修験道の制覇には7-10日間を要するとのアドバイスがあったため急遽プランを変更します。始まったその時から、彼らは今までにない大きなチャレンジに乗り出したことを実感することとなります。初日から困難を極めたこの旅は、DuncanとDeanのふたりだけで続けることになります。それからの4日間、この勇敢な2つの魂は、完全に孤立した山道で何度も彷徨い、睡眠不足に陥ります。多くの修行僧が挑んだこの修験道の道で、同じ試練を味わうこととなります!
Cast
Dean Newcombe, Duncan Buckley, Megan Page, Natali Jacobsen and Timothy Buerger
Locations
Wakayama and Nara Prefectures
Points of Interest
Kumano Hongu Taisha, Kumano Kodo pilgrimage routes, Omine-Okugake-Michi, Mount Shakagatake, Mount Misen, Kinpu Shrine and Yoshino
Day 1:
大峯奥駈道
全ての祈りの道は熊野本宮大社に通ず。と言われ、古の人々にとって祈りの聖地であった“熊野本宮大社”から“大峯奥駈道”は始まります。何世紀にも渡り、数多くの僧侶が修行を行ってきた場所です。メーガンは5日間に渡るこの旅に参加せず、東京に戻りチームをサポートすることに。残りのメンバーはあらゆる事態に備えて荷物を詰め、地図を見てプランを立てます。さて、いよいよ出発。森の中に突入し、これから5日間辿り続ける稜線に沿って歩を進めます。ディーンとダンカンはハイペースでスタートし、ティムは追いつくのに必死。チームは早々に疲れきり、初日を終えたのは遅い時間になってからでした。太陽が沈み、あたりは暗闇です。この古道にはたくさんのお地蔵さんや神社があり、彼らは通り過ぎるたびに拝みます。頻繁に休憩を取り、手早く水分補給。すでに遠く離れたスタート地点の谷底は暗闇へと消えていきます。夜になり、チームはついに大きなお寺に到着。小屋を探し、サポートチームと待ち合わせます。残念ながら、お寺の住職に助けてもらう事は叶わず、チームは大事な決断を迫られます。初日、予定通りのルートは全然進めず、ゴールはまだまだずっと先。夜は寒い中外で野宿しなければなりません。ついに、チームはダンカンとディーンの2人だけで、この先へ進む事を決めるのでした。
Day 2:
大峰奥駈道ー迷子
寒さをしのぐため、ディーンとダンカンはお寺のトイレで目を覚まします。トイレとは言え、小屋は小屋。彼らは朝食をとることに。傷みやすいものから先に消費します。気持ちのいい朝、今日の分の荷物を詰めて、地図を確認。お寺の中を通って水を補充しにいきます。水は、これからの道中とても貴重です。標識が日本語のため、道を間違えないように再度地図を確認し、本日最初の山へ出発です。頂上で鐘を撞いて、連なる山々を眺めます。しかしその後、今朝の不安が現実のものに…彼らは道を間違えてしまうのです。しかし道に迷っていたのは1時間程度で、太陽とコンパスを手がかりにすぐに間違いに気づきます。山奥で彼らが最初に出会ったのは僧侶ではなく、なんと72歳のひとりのおじいさんでした。彼らはこのおじいさんの話に感動。おじいさんは心身ともに72歳とは思えないほど元気でした。ぶら下がるチェーンをロープ代わりに岩肌を登る本日のラストは、比較的スローペースで進みます。ついに、彼らは山小屋を発見。想像以上にとっても快適です。小屋にいた、今夜そこに泊まるという登山者が、下のほうの谷へ向かう道にたどり着く方法をアドバイスしてくれました。ディーンとダンカンは夕闇の中、チームと落ち合い食料を受け取るため出発しますが、2人は道を間違えてしまうのです。なんとか傾斜のきつい丘の上に這い出ますが、道路は遥か下。足止めをくらった彼らは、何か下へ降りるための手助けになるものをと、転がっている大きな木を道路へ向かって押します。木が一気にすべり下りていき、一瞬ドキドキしましたが、木が落ちたところは遠すぎて何の役にも立ちません。ダンカンはディーンにこんな事をしていても意味がない、このままでは危険だから、もと来た道を辿って山頂へ戻ろうと提案します。しかし最後の望みをかけて別の小道を辿ってみると、なんとか道路に出る事に成功。そしてついにバンを見つけたくさんの食料を調達するのでした。この経験から、彼らは途中でバンに落ち合うのをやめ、残りの3日間に必要な食料を置いていってもらうことに。重たい荷物を抱えてもうひと登りしたあとで、エネルギー切れ。ビーフジャーキーを夕飯に無事一日を終えるのでした。
Day 3:
大峰奥駈道ー稜線を歩く
ディーンとダンカンは山小屋で目を覚まします。朝食を終え、万が一最悪の事態が起きたときに備えて、ゲストブックに名前を残します。彼らはコースからさほど遠くないところにある湧き水を汲み、先を進むと、意外にもすぐにアスファルトの道路に突きあたります。ちょうど良いので、通った印として大きな石にrunAwayステッカーを貼り、メッセージを残すことに。再び山登りに戻り、稜線に沿って進みます。進むにつれて地形や植物は変化をみせます。高山植物や、巨大キノコが生えた大きな木が現れます。いくつもの山頂を越え、彼らは神々への敬意を表して“錫杖(しゃくじょう)”を鳴らします(錫杖:僧侶がよくもっている金属の輪がついて音のなる杖のこと)。そして再び山小屋へ到着し、ハイカーの人がコーヒーを入れてくれようとしますが、通常11日間のトレッキングを5日間で終わらす予定の彼らにゆっくりしている時間はありません。すぐに出発し、快適な山小屋をあとにするのでした。森の巨人たち百選に選定されている巨木“大又のカツラ”を通り過ぎ、野いちごを発見。さらに山の上の方に住む野生のサルの群れを見つけます。標高1,500m、周りには誰もいません。小熊の鳴き声のようなものを耳にした彼らは、叫んだり、歌ったり、手をたたいたり、口笛を吹いたりして熊を遠ざけるのに必死です!稜線に沿ってどんなに進んでも、山はまだまだ続きます。道はとっても分かりづらく、荷物は重くて痛いし、地面はぬかるんでいて足元は悪くなるばかり。でも彼らはとってもポジティブです。この旅で一番高い山だと思われる“釈迦ヶ岳(しゃかがたけ)”のサインに従って進みますが、みんなが恐れる難関を前に、山小屋を見つけるのでした。あたりが暗闇に包まれる前の事です。
Day 4:
大峰奥駈道ー先人に学べ
厳しい夜となりました。ディーンの水がなくなり、彼ら以外に唯一同じ山小屋にいた男性が少しだけ水を分けてくれました。早朝、悪天候に備えた準備をしつつ、万一また道に迷ったときに備えて山小屋にステッカーを残します。昨晩水を分けてくれたクライマーとおしゃべりしながらの朝食をとります。地図を確認し、湧き水を探しに行く事に。運よく水はすぐに見つかり、再びコースに戻ります。釈迦ヶ岳山頂を目指し、歩を進めます。今日の旅のお供はこのジメジメした山で大きく育った巨大ヒキガエルだけ。行方不明になったハイカーを探すポスターを見つけ、この旅の危険さに改めて気づきます。標高約2,000mの釈迦ヶ岳頂上付近で再び錫杖を鳴らし、自分達の存在を神々に知らせます。ルートはどんどん危険度を増し、真横に崖が迫る岩肌をよじ登ります。コンディションは最悪。ディーンは滑って自分の指の上に落ちてしまいます。どうやら折れているようです。折れてしまった小指を他の指にテープでぐるぐる巻きにして固定し、前に進むしかありません。道の途中にある小さな社で、ハイカーは神様にお供えをします。普通ではあまり見かけませんが、ダンカンはバナナチップをお供え物として積み上げます。次の角でなんとすぐにご利益が。鳥の水という名前の湧き水を発見。湧き水はしずく程度しか出ていませんが、それでもボトルを満タンにすることはできます。標高1900辺りでずっと上り下りが続き、唯一他の生物の存在を確認できるのは野生のイノシシが作った泥の穴のみ。風がとても強く、立っているのがやっと。雨もどんどん強くなるばかり!一時非難のため、小屋を探すことに。悪天候を前に、5日間でのチャレンジを諦める事が頭をよぎります。ここ“弥山(みせん)”で1泊するとなると、安全ではありますが、街へ戻るには予定よりも1日多くかかることに。諦めたくはありません。しかし天気の事も考慮しなければ…が、彼らはこのまま続ける事を決断。ビニール袋を足に巻き、小屋の管理人がゴミ袋でかっぱを作ってくれました!この決断は功を奏します。頂上を過ぎると、天気は次第に回復し、次の山小屋へ到着する事ができました。最後の夜、雨風をものともせず、キャンプファイアーをするのでした!
Day 5:
大峰奥駈道ー聖地
ディーンとダンカンは小屋から抜け出し、最後の一日へと出発します。チェーンクライムをしなければならないいくつかの難関と、巨大ヒキガエルがまだまだ彼らを待ち構えてますが、着実にゴールへと歩を進めております。強風にもかかわらず、数人のハイカーに遭遇。これまでは1日1人くらいしかハイカーには会わなかったのに。彼らはついにこのコースの最終パートに到着。男性しか入る事は出来ません。ここからは神聖な聖域とされ、女性の立入を硬く禁じております。このエリアの中でディーンとダンカンはこの場所で長い年月を過ごしてきた古いお寺を見つけました。ゴールを目前にして、またもや彼らは道に迷います。何時間もの間、正しい道がわからないまま、恐る恐る進みます。最後は、この女人禁制の聖域のドキュメンタリーを撮っていた今朝のハイカーが、正しい道を歩いてる事を教えてくれて一安心。山を下り、女人禁制領域をぬけ、急斜面を下り、滝を通り過ぎて、川を渡ります。ゴールが近づき、テンションの上がった2人、ゴールに向かって走り始めます。そしてついに道路に到着。 他のチームメンバーとの合流地点、“金峯神社(きんぷじんじゃ)”はすぐそこ。バンに到着し、鞄を下ろし、ダンカンはビールで乾杯!オフィシャルなゴール地点までは“吉野町”を抜けてもう少し。鞄を下ろした喜びで、またもや走り出す2人。吉野町はとても美しい町です。町には神社の鐘が鳴り響き、軒先にはどんぐりが干されていたり…コインランドリーが位置す歴史的ゴール地点への道は“吉野川”を越えて行きます。5日間の旅、77kmに及ぶ山々を越えるハイキング、ここでついに終わりを迎えます。地元のゲストハウスで疲れきった身体を休めます。が、彼らの旅はまだまだ続きます。次は奈良県突入です。